メガサリとグスティ夫妻はバリ島のウブドゥで制作を続けている。
1960年生まれのグスティはバリで高名な画家、イ・グスティ・ニヨマン・レンパツトの孫にあたる。彼は信仰するバリの神々から生まれるエネルギーに駆り立てられて制作していると言う。彼が描く、寺院の古代様式の装飾品や世界最大の「島々の国」のシンボである小船などの伝統的なモチーフは、簡潔な画面構成と色彩によって今日的な意味をもち現代に蘇る。バリ伝統の絵画表現を形式より開放した祖父がそうであったように、彼はバリ島の優れた伝統を継承しながら現代のインドネシア文明を見据えて制作している。
メガサリは、ジョクジャカルタ国立美術大学版画科で木版画を専攻した。バリ島では唯一の木版画家であり、なおかつ彼女は独自の技法を作り出している。1枚の版木から彫っては色をのせて摺り、また彫っては色をのせて摺る。1枚の版木からは4〜5枚しか摺らず、油絵具を使い、あざやかな、豊かで深い風合いに仕上げていく。メガサリの作品モチーフは、島の神話からイマジネーションをえた人物や動物たち。彼女の作品は、豊かに茂った草、花、樹木、あたたかく大きな海に舞う魚たちなどがこの天と地の大きな懐に抱かれて不思議なバランスで調和しながら生を楽しむエネルギーに満ち溢れている。
本展は、1995年より日本において紹介されてきたメガサリの新作とともに、パートナーのグスティ氏の油彩画を始めて展示します。熱い土地バリからのゆったりとした命の鼓動を体感していただく二人の作品をご高覧願います。